なーーんにもしたくない!

 年が明けた。男たちと別れ、私の生活は静かになった。電話もデートもお酒もなくなった私の生活を埋めるものはまだあんまりなくって、ギターを買おうかとか、副業をがんばろうかとか、いろいろ検討している。でも身体が動かない。きっと年末からいろんなことを考えすぎてオーバーヒートしてしまったのだ。ここ最近の私の行動量なんて微々たるもんであるが、頭は常にぐるぐると動き回っていた。(証拠に、勉強もしていないのに毎晩いろんな夢を見る。)

 この三日は、毎日好きなだけ寝て食べて書いて観ていた。そう決めてそうしたのであるし、楽しかったけど、本当はやりたいこともたくさんあるのに動けない、というようなもどかしさも、常にどこかにあったように思う。本当は人に会って声を出して歌を歌って踊りたい。

 怠惰は怠惰を呼ぶ。行動が行動を呼ぶように。今や私はなーーんにもしたくなくなっている。もう、もうほんとうに、なーーんにもしたくないのである。1週間くらい冬眠してしまいたい。起きたらすっかり春が来ていて、世界が祝福に満ちていたらどんなに楽か。

 昨日は肩の力を抜くストレッチをした。首の長い美人に憧れるが、私の骨格はそのようにはできていないので、せっせとストレッチに勤しむしかないのだ。この間友人に「もっと肩の力を抜いても良いよ」と言われたことを思い出す。そうだね、わかるよ、と私は私に思った。私はもっと肩の力を抜いて良い。緊張なんかしなくたって生きていけるのに、失敗しても恥をかいてもいいのに、過剰に怖がるのは私の悪い癖だ。

“恥ずかしい それは 格好いい” なのにね。

 何はともあれ生活しなくては。人並みに仕事をし、生き延びることを考えて、お茶を淹れて、服を選んで、毎朝カーテンを開かなくては。そうして生きているうちに、その生活のほんの隙間に、救いも愛もやってくるのだ。どこからともなく。