大丈夫

 一人で暮らしていて、時間があると、無限に自分のことを考えてしまう。思考が内に内に入って、どんどん自分がわからなくなる。

 こういうことは今までにもあったのに、また同じところへ来てしまった。人に甘えるのには抵抗があったけれど、私はもっと人に甘えた方がいいという気がいい加減にして、久しぶりに友人に連絡をとった。友人は変わらず、私の知っている友人だった。温度のある具体性の高い彼の言葉に、私はいつもとても安心する。彼の言葉にはちゃんとした形があって、実質的ってこういうことだ、と思う。

 

 電話をする前には昼夜構わず涙が止まらなかったのに、電話を終えるとすっかり平気になってしまった。けろっとしている自分をひさしぶりにみた。子どもみたいだと思ったけれど、子どもみたいになれたのは久しぶりで、そのことがうれしかった。彼のくれた言葉と、そして彼が見つめてくれた私が、私を元に戻したように思う。一人でいると自分ばかりが自分を見つめてしまって、埒があかなくなっていたから。

大丈夫と言ってくれてありがとう。しばらくのお守りにします。